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無難に生きています。

好きなのに。

外見で好きになるのは正直、自分にはありえないことだと思っていた。

見た目で好きになったら、中身によほどの問題がない限りは、そうそう嫌いになるものではない。

 

半年経ってようやく話すことができた。

君は中身も完璧な人間だった。非の打ち所のない完璧な人だった。

同じ授業を一緒に取ることになって、たくさん話をして、一緒にお昼を食べて、この思いは加減を知らない純真無垢な子供のように、僕の心を支配し続けた。

ある日唐突に恋人の存在を知ることとなった。

人生で人を好きになったことなどなかった僕は、あの日ほど悔しさで胸がいっぱいになったことはない。

 

初恋は実らないもの、などというありふれた話を思い出し、「くだらないな」と思っていたが、結局は今まで見て見ぬ振りをしていただけだと気付かされた。

 

しかし君は変わらず僕と友達でいるつもりだ。むしろ以前より距離は近くなったのではないのだろうか。

 

君がそのつもりなら、僕もそれなりの覚悟を持って接しなければならない。この気持ちに気付かれてはならない。

 

まだこの恋は誰にも気付かれていない。僕だけの秘密だ。