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無難に生きています。

人のやさしさ。

何年かぶりにインフルエンザで寝込むという事案が発生した。

 

39度の熱など自分の人生でも記憶に少ない。

 

人間初めての体験に直面するとどこか不安になるものなのだろう。

つい、一番最初に頭に浮かんだあの人に連絡をしてしまった。

 

彼女が毎日忙しくしていることは百も承知だが今は誰かと話したいと感じ思い切って風邪引いた、と送信する。

 

思いの外返信は早かった。

 

「どうしたの? 最近謎の高熱流行ってるからねぇ...」

「わかんないけど寒気が止まらなくて」

「もうお家に帰ってるの? 暖かくして布団に入って! 寝られそう?」

 

もう少し彼女と話していたかった私は少しわがままを言ってみた。我ながら情けない。

 

「布団には入ってるけど起きたのがお昼ぐらいだから眠くないや笑」

「じゃあ寝られるまで付き合ってあげる笑」

 

たかがこれだけのことだが私は泣きそうになってしまった。人は弱っている時に優しくされるとこんなにも嬉しいものなのかと改めて実感した。

 

その後も彼女は長々と話に付き合ってくれた。

 

 

 

現在、体調は順調に回復に向かっている。次第にいつもの自分に戻ってくる中で、皆様の気遣いや周囲の心配り、それに対する私の無遠慮さが申し訳なくなってくる。

 

自分の辛さや苦しさに精一杯だと簡単に傲慢な振る舞いを選んでしまうことが情けなくて仕方ない。

 

人の「やさしさ」や「気遣い」は8割くらいは体力で出来ているのだと痛感し、ある程度豊かでいるためには強くなくてはいけないなと今回考え直すことができた。

 

そういう意味では私の人生において有意義な時間であったと思う。

 

長々と私の話に付き合ってくれた女性を始め、罹患中に関わってくださった皆様、大変ご迷惑をおかけいたしました。