好きだけじゃ足りなくて。
夏休みも明け、君が僕の元にまた舞い降りた。
2ヶ月ぶりに見た君の顔は特に以前と変わらなかったが、髪が少し短くなっていた。
さぁ行こうか!と僕の先を歩き始める君の短くなった髪が軽やかにふわりと揺れた。
最初はただの一目惚れで目で追うだけで嬉しかったのにだったのに、今ではこんな一挙手一投足に心が高鳴る。
最近友人から君のことが気になっていると聞いた。
特段仲の良い友人ではないが、最近いつも一緒にいることの多い友人からの相談に驚いたんだ。
相談を聞いて、とても焦った。君は誰からも好かれるタイプの人間であったが、あまり人と関わることが多くないから君をずっと好きでいるのは僕だけだと安心していた。
また一から君に僕のことを見てもらえるように頑張る。
だけど好きだけじゃ足りないのなら、これ以上何を求めれば君は振り向いてくれるのだろう...